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スゴイ昼飯
さあ、スゴイ昼飯の話をしよう。
ジャワでのワタシのドライバー、デニさんは職業ドライバーなのでいろんな国から来た客を乗せる。
タクシーと違い、日単位の契約なので客と一緒に食事をする機会も多い。
そろそろ昼だハラ減ったなあ、という時に昼メシにしようと彼に言うと「何が食べたい」と返ってくる。
日中は仕事優先のスケジュールなので、なんでもいいこの近くで食べよう、となる。
その時々において彼は頭の中の地図を開いて、外国人にとって不潔でない、かといって食事に時間がかかるような立派な店でもない適当な店に連れて行ってくれる。
ところで、彼は〝日本〟にとても興味を持っている。
「テンノーの住んでいる城はショーグン・トクガワの城だった。」
とか、
「ネツケ(根付)はいくら位するのか」
「セイコーとカシオはどちらが高いのか」
など、日本に関する話は尽きない。
当然、食べ物の話題も上がる。
土産に納豆を持って行ったことがある。
二度と食べない、と言っていた。
日本の果物を持っていったこともある。
彼は彼で日本には無い料理を教えてくれる。
牛や山羊の脳ミソ ( 『あるはれたひに』 ) やコブラ料理 ( 『コブラ食堂』 ) などなど・・
今回の仕入れは、いつもに比べて時間的に余裕のある日程だった。
ある日、午前中に仕事が終わり、特に急ぎの用も無し。メシでも食うか、という段に彼が言った。
「マタ・カンビン?」
以前から彼がウマイから食ってみろといってる料理だ。
時間があるならそれを食いに行かないかってこと。
材料はコレ。
〝カンビン〟は山羊。
イスラム教徒の多いジャワでは豚はほとんど食卓に上がらない。
イスラム教徒は牛を食べるが、ヒンドゥー教徒は牛を食べない。
よく料理されるのが鶏と山羊。
山羊料理はポピュラーなのだ。
肉は串に刺して、日本の焼き鳥のように炭火で焼く。
しかし、この店の看板料理は肉ではない。
〝マタ・カンビン〟のマタは目玉。
つまり、山羊の目玉料理だ。
ウチのカミサンが、きもちわるいから載せない方がいいんじゃない、といった写真がコレ。
詳しく言うと目玉だけじゃない。
『山羊の目玉と脳ミソと舌と耳のスープ』。
意外にも目玉は可食部分が多く、最後にペッと吐き出すのは小豆程度の大きさのもの。
アレはなんだろね。
脳ミソと
耳
ウゲッ!と思うでしょ。
でもコレがホントに美味かった。
まだ11時40分なのに50人は入るだろうという店の8割方は埋まっていた。
デニさんによると12時を過ぎると満席になるそうだ。
店の横では楽隊が生演奏していた。
『山羊の目玉と脳ミソと舌と耳のスープ』とライスを食べて満腹満腹、と思っていたらデニさんが人指し指と親指で何かをつまみ、口をすぼめて何かをすするジェスチャーをする。
日本語のフレーズで「オイシー」と言う。
なんだかわからんが頼んでみっか、ということで出てきたのがコレ。
山羊の骨のスープ。
この骨でダシを取るのだが、その骨の中には髄が残っている。
この骨をストローのように持ち、ジュルルとその髄をすするのだ。
濃厚です。
この骨スープも名物料理のようであちこちで、妙齢のご婦人までがジュルルとやっている。
ご馳走様でした。
コレもうまかった。
骨でダシをとったスープで目玉や脳ミソを煮込む。
トンコツならぬヤギコツです。
いや、ホントにうまかった。
ちなみにワタシ、翌日もこの店に行ってしまいました。
ところでインドネシア人が皆この料理を食べるわけではないようだ。
バリに戻り、バリのドライバー、カデ君に目玉スープの写真を見せたら
「ゲッ!これ食べたの!?」
と言っていた。