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『あるはれたひに』



『あらしのよるに』と言う童話があります。
映画にもなり、TVで放映されたこともあるので、ご存知の方も多いと思います。
羊のメイと狼のガブの、本来は食う者と食われる者との不思議な心の交流を描いた物語です。

その『あらしのよるに』の作者、木村裕一さんが「きむら式童話のつくり方」と言う本を書いています。そこで『あらしのよるに』の中の一場面、『あるはれたひに』についてこんなことを述べています。

 

『例えばボクは、食用ガエルとイナゴが苦手だ。イナゴを食べる人って、けっこう平気で食べている。ボクは食べられない。食用ガエルは、食べたことはあるんだけど、なんとなくイメージが悪くて、その後は食べられない。でもなぜか、カタツムリは食べられた。
人間と言うのはたぶん、たくさんの食材がある中で、これは食べ物だと小さい頃から概念付けられているものは簡単に食べられるんだけど、食べるものの概念の中に入っていないものはなかなか食べられない。
日本人は普通、犬の肉は食べない。なぜかというと、日本人の脳の中では犬の概念はペットだからだ。ところが中国へ行くと、犬は食べ物だから、全然問題なくスーパーで売っている。この間オーストラリアへ行ったら、豚をペットにして飼っていた。地球上の動物は、生まれ育った環境によって、異なる概念で区分されていて、食べられたり、食べられなかったりする。
そういった概念に、我々は、自由なようで実はたくさん縛られているんじゃないだろうか。』

 

いろんな国に行くといろんな食べ物に会います。( 「酒のつまみ」 「コブラ食堂」

先日、ジャワの食堂でパダン料理を食べました。
パダンというのはスマトラ島のある地域なのですが、インドネシアの有名コックさんは皆パダン出身だ、と言われるほど料理が美味しいことで知られています。
そして特徴的なのがその料理の供し方。

DSCF7882 席に座ると注文もしないのに次から次に料理が運ばれてきます。
肉や魚、野菜料理、卵料理、豆etc・・

おい、こんなに食えないぜ!

 

でも、ビビることなかれ。

手をつけた皿の分だけ、料金を払えばいいのです。

 

左の帽子男はドライバーのデニさん

その、パダン料理の中にフツーに出てくるのがコレ・・
写真左下の、小さな塊がふたつ載ってるヤツ。

DSCF7883 

山羊の脳ミソです。
食べてみると、なかなかウマイものですが、最初は恐る恐る食べる私の様子を見てドライバーのデニさんが「日本人は食べないのか」と、ちょっと得意そうな表情。
パダン料理のご馳走、山羊の目玉や牛の脳ミソも食べないと言うと彼はニヤリと笑うのです。

ちょっと悔しい・・
何とか形勢を逆転したい。
道すがら〝sate kuda〟という看板を出している屋台ががありました。〝馬の串焼き〟です。
うまいのか?と彼に訊くと「食べたこと無い」って言ってました。
そーか、ウマ食ったこと無いのか・・

「でもさ、日本人は馬をサシミで食うんだぜ。」

彼の頭の中ではウマの生き造りの絵でも浮かんだのかもしれません。とっても驚いていました。

それから「サシミ用の馬は特別に育てられているのだ」とか、「サシミ用の馬肉は100グラム10万ルピアもするのだ」といった得意げなワタシの話がしばらく続いたのです・・


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