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母を尋ねて16km
9月末に我が家に来た看板犬、ノンタ。
来てから2か月になる。
ノンタを連れてきてくれた石川ドッグレスキューのサンハハさんがその時に「体重は5.5キロです」と教えてくれた。
1日中お腹を空かせているノンタはよく食べる。
赤ちゃんのくせに前の看板犬、ハナ2号(成犬)の3倍食べる。出すのも3倍(笑
散歩ができるようになると(感染症のワクチン、2回目を打って1週間たたないと外に出してはいけないんだそうです)よく歩き、よく動くようになった。
何にでも興味を示し、散歩中にネコやカラスを見るとその方向に行こうとし、相手が走り去り、飛び去ってもず~~っと見ている。
自転車とすれ違っても、その自転車や人をず~~っと見ている。
散歩から帰るとコテッと横になり爆睡。時々いびきをかく。

来た当初、5.5キロだった体重は2か月で12キロになった。
こんなに早く大きくなるものなんだ…
来たばかりの頃はひとりにすると悲しげに鳴くので、ケージに入れて店内にいさせた。
お客様も「カワイー💗」と言ってくださり、ノンタを抱っこしてくれた。
最近は重くなり「カワイー」が「重っ!」になってきた。
これでも生後数か月なのです。
父親がわからないので大きくなるかもしれませんよ、と言われたのを思い出す。
福井県の多頭飼育崩壊の現場から救出された犬なので、実は母親もはっきりとはわからない。
ただ、たぶんこの犬が母親だ、というのがいる。
子犬は貰い手がいるが、成犬はなかなか里親が見つからない。
ノンタの母親(たぶん)も、ノンタと同時期に救出されたが、引き取り手がおらずいまだにドッグレスキューの方の家で保護されている。
カミさんと、その母犬も我が家で引き取ろうか、という話をした。
それはこんな経験があったからだ。
初代看板犬のハナ1号は迷い犬で、いろいろな方法で飼い主を探したが見つからず、ウチで飼うことになった。
最初は気が付かなかったけど、妊娠していたようで1か月後に子犬を6匹生んだ。
そのうちの1匹を小松の家具店QUO(クオ)さんが引き取ってくれた。
〝バグース〟と名付けられた。
それから何年か経ってクオさんにハナを連れて行くと、バグースはもうおとなになっていて、母犬のハナよりも大きくなっていた。
バグースは生まれてすぐにもらわれていったのに、2頭は親子だということがわかるのか盛んに鼻を鳴らし、見つめあう。
クオさんの店内で2頭を放すとじゃれあっていた。
そのじゃれる様子もただ〝仲のいい友達犬〟ではなく、何か特別な関係を思わせるような動きだった。
それを見ていた私たちは「やっぱわかるんだねー」と言った。
そんなことがあったので、母犬とノンタが一緒になったらどちらも喜ぶのではないだろうかと思ったのだ。
カミさんがドッグレスキューのサンハハさんにそのことを相談すると、意外な返事が返ってきた。
母犬が子どもを受け入れることはなく、以前には自分の子供を襲った母犬もいたそうだ。
あの、ハナとバグースのような関係は特別なのだろうか…
〝親子で飼う〟のではなく、全く別の犬2頭の里親になる、という気持ちで飼ったらどうですか、というアドバイスのもとに11月24日、ドッグレスキューの淵はは(エンハハ)さん家にいる母犬に会いに行った。
マップを見ると淵ははさん家はわが家から約16km。
ノンタは母犬に受け入れてもらえるのだろうか…
淵ははさん家に着くと大小さまざまなワンコたちが迎えてくれた。
白い大きなボス、毛が長くおとなしい子、小さいけれど(生後2か月)やんちゃでノンタにアタックしてくるボク、ケージから出てこないのもいる。
全部で10頭くらいいたのかな。
そのなかで、あぁ、いた。
ノンタとそっくりな、たぶん母犬。

<右がノンタ、左がたぶん母>
積極的には近づいてこないものの、少し離れたところからノンタを見ている。
ドッグレスキューの淵ははさんは、あら珍しい、と言った。
淵ははさんによると、母親が子供を受け入れることはほとんどないそうだ。
それはこういうことらしい。
ドッグレスキューに保護された犬たちは、メスは避妊手術を、オスは去勢をする。
これ以上悲しい保護犬を生まないためだ。
避妊手術をしたメス犬は母性も失うらしいのだ。
バグースを産んだあと、ハナも避妊手術をした。
でも2頭はお互いを〝わかって〟いたようだ。
ハナとバグースの関係はごく稀なケースだったのだろう。
最初は離れていた2匹だが、やがておたがいにクンクンし始めた。
母犬が我が家に来ても、ノンタとはなんとかやっていけそうだ。
もうすぐノンタ母がウチに来るかもしれません。