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ガラス瓶



倉庫で荷物の整理をしていたら開封していない段ボール箱が出てきました。

開けてみると新聞紙に包まれたガラス瓶が。

ああ、思い出した。

まだ開けてなかったんだ・・・

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つばきやは家具屋ですがちらほらと古物も売ってます。

その仕入先は国内の古物屋さんだったり海外のアンティークマーケットだったりします。

その中のひとつにインドネシアジャワ島の中部の街、ソロの「パサール・トゥリウィンドウ」(トゥリウィンドウ市場)があります。

小さな骨董屋(ガラクタ屋?)が数十も集まった市場です。

ここに通いだしてから十年以上が経ちました。

どの店も専門みたいなものがあって、たとえば古い秤(はかり)とアイロンを売ってる店はいつ行ってもそればっかり。

ボロブドゥール遺跡から出土した皿のレプリカを売ってる店はそればっかり。

だから最初の2~3回は物珍しさもあって楽しかったのだけれども、そのうちに飽きてきます。

それでも時々掘り出し物が出てくるので通うのです。

そして、ここで仕入れるものでつばきやの定番になったものもあります。

『古い鍵』

さて、ここで買ったものはその後どうするか。

どうするか、というのはどうやって運ぶか、です。

多いときは段ボール箱、5~6箱になります。

この骨董市場の中に「マルニおばさん」のやっている店があります。

まず、彼女の店に顔を出します。

彼女は満面の笑みでワタシを迎えてくれ、さあ、今日はどこの店から?と骨董屋めぐりに同行してくれます。

並んでいる店を端から眺めていきます。

素通りしようとすると顔見知りの店主が、ちょっと見ていきなよと店の中へ誘います。

そこで面白いものを見つけても興味のあるような顔をしちゃあいけません。

骨董なんて値段があるようで無いもんです。

お!コレいいなあ。なんて表情をしたら最初の言い値が高いのはもちろん、値引き交渉もままなりません。

どうするか。

目的のモノを凝視しちゃダメです。

チラと見たら隣に目を移し、一通り店内の商品をチェックしたふりをして、ん~特に欲しいものは無いなあ、という感じで店を出ようとします。

店主はちょっと待て、コレなんかどうだと言っておススメのものを持ってきます。

それには興味は無いけどコレ(目的のモノではありません)はいくら?と訊きます。

店主が値段を言うと、高いな~と言って興味が無くなった顔をします。

そんなことを2~3回繰り返していよいよ目的のモノです。

高い高いと言われた店主はここで帰られては商売にならないので少し弱気な値段を言ってきます。

さあ、ここからが値段交渉です。

値段が折り合わないときは特に欲しくはないけれど、あってもいいかなみたいなものと抱き合わせ、コレとコレとコレ全部でいくらという値段提示をします。

総額が膨らんできたので店主としては何とか交渉を成立させたいところです。

そして交渉成立。

現金を支払い次の店へ。

たくさんの店を廻らなければならないので急ぎます。

次の店で商談をしているとマルニおばさんは先ほどの店の領収書と釣りを持ってきてくれます。

交渉がまとまらないときもあります。

相手の言い値とこちらが提示した金額がもう少しのところでお互いに歩み寄らない。

そんな時はあきらめて次の店へ。

するとマルニおばさんはさきほどの交渉がまとまらなかった店からの伝言を持ってきます。

「さっきの店、トシの言った値段でOKだって」

そんなこんなで値段に驚いてみせたり、鼻で笑ったり、考え込んだり、いやもうちょっと安く買えたかなと反省したり。

なかなか楽しい半日を過ごせるのです。

多いときは十数軒の店から買ったモロモロをマルニおばさんは集め、数十km離れたカーゴ屋へ送ってくれます。

そしてマルニおばさんの店へは最後に行くのです。

〝仕事〟の対価として彼女の店で選んだものは彼女の言い値で買うのです。

ここではワタシが値切らないことを知っているので、彼女も高い値段は言いません。

でも、彼女の店には私が欲しいものが無いのです。

しいて買ってもいいかなと思うものは・・・

ガラス瓶。

こうしてこの骨董市場へ来るたびにつばきやのガラス瓶在庫は増えてゆくのです。

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