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夢にまで出た
〝夢にまで見た〟というのは、ず~っと憧れていたことが実現した時に使う言葉で、例えば「夢にまで見たヨーロッパ旅行」とか「夢にまで見た純白のウェディングドレス」とかいうように。
しかし、〝夢にまで出た〟というとちょっとニュアンスが違ってくる。
今年はなぜか町内会長になってしまった。
持ち回り的なところもあるので逃げきれなかった、という表現が当てはまるんだけどね。
町内の三大行事は「BBQ大会」、「祭り」、「運動会」で「BBQ」はコロナ禍で今年も中止になった。
その三大行事とは別に町内会長には様々な雑事がある。
例えて言うなら部下のいない総務部長みたいなものかもしれない。
町内の9班の、一般ごみ集積場はKさん宅前にあるゴミBOX。
この家は現在空き家で、相続した次男は埼玉に住んでいて、かねてからこの家を売りたいと言っていた。
埼玉で家を建てたのでもう石川に帰ってくる予定はなく、延々と固定資産税を払い続けているからだ。
やっと買主が現れたが、このゴミBOXの存在がネックになっている。
一般ごみは生ゴミですからね。
自宅前にゴミBOXが無い方が、そりゃいい。
買主はゴミBOXが移転されるのであれば契約したいと言っているらしい。
Kさんに、どうにか移動させていただけないでしょうか、と言われ移転先を探す。
わかりました、と安請け合いしたがコレがなかなか大変だった。
班長のOさんに移転先の相談をするとOさんは腕を組み
「いや~、むずかしいですねぇ」
と言う。
9班は13軒のお宅で構成されていて班長は1年交代の持ち回りで13年ごとに回ってくる。
今年班長のOさんは13年前にも班長で、ちょうどその時もゴミBOXの移転問題があり、ほぼすべてのお宅に断られ、現在空き家になっている(当時はKさんのご両親が暮らしていた)その家だけが引き受けてくれたらしい。
だからなおさらKさんの願いは叶えてあげたい。
しかし、いろいろな人に交渉をしたりお願いをしたりしたが適当な場所が見つからず、仕方なく別の班のゴミBOXに連結させる形で置くことにした。
するとこれまでは自宅前にゴミBOXを置くことに反対していたNさんが、自宅前に置いてもいいという。
この道は突き当りが北鉄の線路になっている袋小路で、その突き当りの場所に置くので自宅前といっても真ん前ではない。
別の班のゴミBOXとの連結か、Nさん宅前か、班長のOさんがアンケートを取り、結果Nさん宅前に決定。
そして市役所へ。
まず土木課へ行って道路使用許可申請書をもらう。
すると土木課の女の子がすまなそうな顔をしてこう言った。
「あの~、この道は舗装されていますけど、市道ではなく農道なので市では許可が出せないんです」
と言って大きな地図帳を持ってきた。
白黒の地図にはところどころ赤い道があって、ゴミBOXを置く予定のその道も赤く塗られている。わずか30メートルほどの道が。
土木課の作業服が似合う女の子は、上司と相談して後日連絡をくれることになった。
1週間ほどして再び市役所に行くと土木課から様々な書類を渡され、それには生産組合長の同意書、現場の写真を添付する用紙、現場見取り図、法務局に行って公図を取ってきてください、農道上には構造物は置けないが今回は特例なので同意書、などなど、たっぷり仕事が詰まっていた。
市役所も法務局も土日は閉まっているので平日に動かなければならない。
なんとか時間をやりくりしてすべての書類を用意し土木課へ提出。
次は市民生活課へ。
現在のゴミBOXの場所の廃止届の提出。
リサイクル会社のゴミ収集ルートの変更をしなければならない。
ゴミBOX移転の話があってから実に3か月。
以前の場所での最終収集日、新しいゴミBOXが到着する日(行事が2年も中止になっているので町内会費がたっぷり繰り越されているのでゴミBOX新調しちゃった)、新しい場所での初収集日、気になって確認しに行きました。
夢を見た。
友人のハシモトさんが引っ越しをすることになり、その手伝いをする、という夢を見た。
引っ越しの時は大量の不用品が出るので、私はハシモトさん家の前を臨時のゴミ収集場所にするよう道路使用許可を申請した。
引っ越しが済むと次は廃止届を出さないとず~っとゴミ捨て場になっちゃいますよ、とアドバイスした。(いつの間にか引っ越す前と引っ越した後の家の場所が同じ 笑 夢だからね)
なぜかハシモトさんは別にいいんじゃないすか的な余裕を見せ、私はそりゃまずいですよと一生懸命説得する。
廃止届け、だしましょうよ…
夢にまで出てきてしまった。