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立会人
昨日は衆議院議員総選挙。
その投票所の〝立会人〟というものをはじめて引き受けた。
時間は午前7時から午後1時30分まで。
立会人は何をするのかというと...
『投票所の投票立会人になられる方のために』という石川県選挙管理委員会が発行した印刷物には、ムズかしい用語で説明されているので理解するのが容易ではないが、要するに不正が行われないように係員や選挙人(投票に来た人)を見張っててね、ということらしい。
自席に座って見ているだけ。
これは相当つらそうだ。
仕事がつらいというよりも、時間の経つのが遅く感じるだろう。
忙しく何かの作業をしていればあっという間に時は過ぎるが、黙って座って見ているだけ...6時間半。
でも、もう引き受けたのだから仕方ない。
届いた『選挙立会人の選任通知』には
「(1)正当な理由がなければその職を辞することができません。(公職選挙法第38条第5項)」
と書いてあるし。

当日は立会時間の15分前に来てください、というので6時40分にはののいちカミーノの投票所へ。
もうすでに事務局の人たちは忙しく立ち働いていた。
投票開始時刻となり最初の投票者が入場。
すると投票所の管理者は投票箱を開け、最初の投票者と我々立会人(2名)に箱の中が空っぽだということを確認させる。
その箱を閉め、鍵をかけ、最初の投票人の投票が始まるのだった。
次々と入場してくる投票者たち。いろんな人がいる。
なぜか終始不機嫌そうだった初老の男性は鉛筆を戻す時に、鉛筆を箱の中に放り投げるように入れた。 (コロナ禍のもとに行われる今選挙では記入台のところに鉛筆を置いて複数の人が使いまわさないよう、ひとりに1本の鉛筆を渡して最後に返却箱に戻す方式を取った)
若い男性は投票後、我々に向かって
「お仕事頑張ってください!」
と礼をした。
マスクを忘れた老婦人は、職員に渡されたマスクをして気の毒なほど恐縮していた。
何を言っているのかここまではよく聞こえないが、投票箱の位置とか職員の説明だとか、何から何まで文句を言うおじいちゃん。
歩くのもままならないのに杖をつきながら、休み休み長い時間をかけて3つの投票箱を回ったおばあちゃん。
職員の補助を受けながら無事投票を終えた。
選挙に来ない若者に見せたい。
「あ~、元気~!?」と入口の外から声が聞こえる。
久しぶりに知り合いに会ったのだろう、ひときわにぎやかな女性が入ってきた。
ウチのカミさんだった。
投票開始から3時間。
10時になると外から音楽が聞こえてくる。
今日、ののいちカミーノは『1の1 ハロウィンフェス』の開催日。
にぎやかな雰囲気が伝わってくる。
小さな子供を連れて投票所に来る家族の、その子供たちは半数がハロウィンの仮装をしている。
ハロウィンのイベントが盛況で駐車場が満車になり、車で投票に来た人たちが停められない事態が発生。
管理者が何度も駐車場の様子を見に行く。
駐車場の警備員(イベント側の警備員と、選挙管理委員会側の警備員がいるらしい)に指示を出してきたそうだ。
投票所では小さな事件が次々起こる。
今回、立会人をやって初めて知ったことがある。
投票券(ハガキ)を持ってなくても「宣誓書」というものを書けば投票できるのだ。
私の立会時間中にもひとり、おばあちゃんが宣誓書を書いて投票した。
それからもひとつ。
今の投票用紙は形状記憶紙でできていて、折り曲げても元に戻るそうだ。
私もそうだが、多くの人は候補者名や政党名を書いた面を内側に二つ折りにして投票箱に入れる。
以前は開票の際、その二つ折りを広げて元の形に戻す作業に時間がかかったそうだ。
今は折り曲げて箱に入れた投票用紙は、箱の中でひらひらと落ちる間に元の形に戻ってるらしい。
でも元に戻る力が強いので二つ折りにしてもすぐ膨らんでくる。
すると投票箱に入れたと思った投票用紙が入り口で引っかかったままになっている。
投票者はそれに気づかず行ってしまうので、職員の人がポンとたたいて箱の中に入れる。
それからちょっとびっくりしたこと。
女性の職員が投票用紙を渡す時に説明をする。
「ピンクの用紙には政党名を、緑の用紙にはやめてもらいたい裁判官の名前にバツをつけてください。」
そこに来たのは耳の不自由な方。
すると彼女は手話で説明をした!
芝寿司のお弁当をもらって30分の休憩をはさみ、再び席に戻るとしばらくして女性職員の方が「引継書」を持ってきて、それにハンコを押した。
1時30分からは別の立会人が任に着く。
こうして終えた〝立会人〟の6時間半は思っていたよりもずっと早く過ぎた。