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枕木
7~8年ほど前、ジャワで線路の枕木が家具の材料として出回ったことがありました。
太平洋戦争までインドネシアはオランダの植民地でした。
植民地経営のひとつに政府栽培制度があり、それはサトウキビやコーヒー、香辛料などを農民に栽培させ政府が買い取るというもので、そのためのプランテーション(大規模農園)がインドネシア各地にできました。
つばきやの家具のパーツを作っている中部ジャワはとくに砂糖の生産が盛んだったようで、ジョグジャカルタとソロを結ぶ街道沿いには『Museum Gula』(砂糖博物館)という古い建物があります。
一度訪ねたことがありますがたまたま休館日だったのか、すでに閉鎖されたのか門は閉ざされ中に入ることはできませんでした。
サトウキビのプランテーション内には線路が敷かれ、農場で収穫されたサトウキビは製糖工場まで貨物列車で輸送されました。
戦後、インドネシアはオランダから独立し、多くのプランテーションは残ります。
メンテナンスを繰り返しながら使用してきた機械類も、とうとう耐用年数を迎えたのです。
また、新しい機械を導入して採算が合うほど砂糖は昔ほど高級品ではなくなっていたのです。
そして製糖工場の閉鎖とともに、サトウキビを運ぶ貨物線路も撤去されました。
そこでたくさんの枕木が市場に出たのでした。
この枕木に使用されていたのはバンキライ、インドネシアではセランガンバツー、中国では玉壇と呼ばれる極めて重硬な木です。
セランガンバツーの「バツー」はインドネシア語で石を意味し、石のように硬いことを表していると言われています。
丸米商会という大阪の材木商の『世界の樹種紹介』というところにはこのように紹介されています。
「重構造用材としては第一級に類する材。橋梁、埠頭、土建、船舶、緩衝材、電柱、枕木、杭、車輛のボディ、樽、重量用床材などに適するほか、建築の土台、床板、羽目板などに半永久的に使用できる。」
この木は土中で腐らないので日本の枕木のように防腐剤が塗布されてはいません。
プランテーションが建設されたのは1900年ころと言われています。
この枕木は百年も土中に埋まっていたのです。
インドネシアは木材の輸出に様々な規制があり、枕木もその対象で、枕木のままでは輸出できないのでした。
板材に加工すれば輸出可能とのことだったので、何に使うかは後々考えることにして、とりあえず棚板風のものを作って輸入したのです。


そんなこともすっかり忘れ倉庫で眠っていたバンキライ。
金物を取り付けてトイレットペーパーホルダーとタオルハンガーにしました。





A面を使おうかB面を使おうか迷うのです。

店内にカットした枕木を置いてあります。
どうぞお好きなものをお選びください。
トイレットペーパーホルダー
ダブル 5300(5830)
シングル 4700(5170)
タオルハンガー
36cm 4700(5170)
18cm 4000(4400)