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お祈りの時間
私がつばきやの家具のパーツ(天板や脚など)を発注している工場は、インドネシア・ジャワ島中部のセレナンという地区です。
そこは銘木マホガニーの産地で、日本で調達するととても高価な木材がとても安価で手に入ります。
年に3回現地の工場へ行って、私が描いた図面を基に担当者と直接交渉をします。
価格、サイズ、細かな構造、数量など打ち合わせは数時間に及びます。
ところでインドネシアの人口は2018年現在約2.6億人。
そのうちの約87%はイスラム教徒です。
インドネシアが世界最大のイスラム教国と呼ばれる所以です。
インドネシアのイスラム教徒は1日5回のお祈りをしますが、時間はだいたい何時ころというゆるい決まりです。
ただ、金曜の正午の礼拝は特別で、きっちり12時にお祈りします。
何年か前、私は工場のオーナー、その弟の工場長、設計の担当者、何となくその場にいた親戚(笑)の計5人で商談をしていました。
昼時分になり工場長が時計をチラ見し、私に「ちょっと失礼」的な言葉をかけると4人はどこかへ行ってしまいました。
商談の途中にですよ。
その時に気が付きました。
今日は金曜日で、ただいま正午前なのです。

取り残された私が誰もいなくなった工場で啞然とするの図
彼らにとって宗教は商売よりもずっと大切なものなんですね。
イスラム教徒というと過激なイメージを持つ方も多いかもしれませんが、彼らは実に穏健です。
特にインドネシアのイスラム教徒は中東と違い戒律にあまり厳しくありません。
たとえが一緒に食事をするときに私がビールを飲んでも全く問題にしません(イスラム教徒は飲酒禁止です。)。
インドネシア政府はイスラム教のほかにキリスト教カトリック、プロテスタント、仏教、ヒンドゥー教を国の宗教として認めています。
イスラム教徒とキリスト教徒が友達同士なんてこともフツーにあるのです。