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今月のオークション「クニンガンの小箱」
ワタシはインドネシアへ行くとインドネシア語で取引をします。
「へぇ~、スゴイですね。」
と、よく言われますが、全然スゴクありません。
インドネシア語ってのはとても易しい言語で、しかも日本人の発音と似ているのでカタカナで書かれたインドネシア語をそのまま読んでも通じるのです。
例えば「ウォーター」と言っても、英語圏の人々に意味は通じません。(もっともこれはカタカナ表記自体に問題があるのかもしれませんが・・「ゥワラー」と書けば通じるのかも・・)
だけど、インドネシア語で〝水〟を意味する「アクア」や「アイル」をそのまま読んでもインドネシア人はそれを理解します。
そして、文法が簡単なのです。
早い話が、単語を並べていけばそれなりに意味が通じるのです。
単語さえ覚えればナントカなるのです。
そして、ワタシのインドネシア語が通じる理由は、相手が昔からの取引先だから・・
ワタシのインドネシア語力は、おそらく幼稚園児並みです。
取引先の彼らは幼稚園児にもわかるような言葉で話してくれているのです。
ワタシが文脈が支離滅裂な話をしても、コイツはこういう事を言いたいんだろうな、と解釈してくれているのです。
一方、ワタシは一般のインドネシア人が知らないような専門的な単語を知っています。
例えば、テーブルの天板を作る際、両側を樹木の自然な曲線を残して作ったものを日本語で「耳付き」と言います。
この「耳付き」はインドネシア語で KLICO (クリコ)。
また、アイアン製品にネジ用の穴を作るときに、ネジの頭がうまくおさまるようにネジ穴に傾斜をつけることを OVERSENG (オブルセン) と言います。
新しい取引先を開拓したときに、このような専門的な用語を使うと、相手はワタシがインドネシア語に精通しているものと思い込みペラペラと早口でインドネシア語をしゃべります。
ほとんどわかりません・・
その時、「ああ、いつもの取引先の人たちはワタシが解るように話してくれていたんだな」と思い当たるのです。
前置きが長くなりましたが、これからが本題です。
写真のものはソロの骨董市で買ったもの。
店の主はなにやら恭しく出してきましたが、これがなんだか解らない。
これは何か?というワタシの問いに身振り手振りで説明するが、要領を得ない。
首を傾げる私にもどかしさを感じたのか、周りのギャラリーが「クニンガン!クニンガン!」とか、「セレモニー!」などと言う。
何かのセレモニーに使うものだろうな、とは思いましたが、とうとうよく解らないまま買ってきました。
日本に帰ってきてから〝クニンガン〟をネットで調べてみると、たくさん出てきました。
クニンガンとは
「この日は地上に神々が降りて来る神聖な日です。各家の家寺には祖霊を迎えるために盛大な供物が用意される。人々はこの世の平和と幸福を祈る。クニンガンではすべての供物を昼の12時頃までに供え終わらなくてはいけない。というのは、それを過ぎると、神々は天界に帰ってしまうからです。よく日本で言う〝お盆〟にたとえられるが、バリでは祖霊もまた神であり、ただ単に先祖供養として祖霊を迎えるというのではなく、もっと神聖な意味で祝します。」
(ウブド・バリ「アパ?情報センター」HPより)
クニンガンがどういうものかは解りましたが、この真鍮の小箱がいったい何に使われるものなのか相変わらずわかりません。
ふたを開けると小さな仕切りの付いた内蓋が・・
その内蓋を取ると、全体はこんな感じ・・
最近はアクセサリーを自分で作る方が多くなりました。
小さなパーツを入れておくのにこんな小箱はいかがですか?
この小箱、今月のオークション品にしよーっと。
ということでいつものように最低価格の設定は無し、1円からOKです。
お店に置いてあります。
見に来てください。