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悪いニュース
昨日、ジャワの運送会社の女社長 シスカからメールが届きました。
「ところで、悪いニュースがあります・・」
ウチの人気商品のひとつに彫刻入りの古いベンチがあります。
30~40年前に作られたものを リペアしたものです。
ひとつひとつデザインもサイズも異なります。
そのベンチの座面に合わせてクッションマットを作ります。
クッションマットの中材は〝ダクロン〟という合成綿で、天然綿の5倍の吸汗放湿性を持ち、いつまでも座面のサラサラ感を保つのです。
このクッションマットをオーダーする工場も、何軒か渡り歩き今の工場に落ち着きました。
取引を始めたころは子どものいない若い夫婦が経営していました。
そのうちの男の子が生まれました。
工場も次第に大きくなり、従業員も増えました。
バントゥルという地区に新しい家を建てるというので、建築中の家を見せてもらいました。
嬉しそうに間取りを説明する彼らの顔は希望に輝いていました。
家が完成した翌年、ジャワ地震でその家は全壊しました。
住居と工場をジョグジャの空港のそばに移転し、再起を図り頑張っていました。
「しょうがない、また頑張るだけさ」
と、明るく笑う若い主人の人柄も、長年取引をするようになった要因かもしれません。
今年の11月に訪れたときは2番目の子どもを出産した翌日でした。
商談は病院の中で(!)行いました。
シスカからのメールはその夫婦と連絡が取れなくなった、というものでした。
私が頼んだクッションマットが期日に届かないので電話をしてみたが、家も、工場も、携帯もつながらない、3回人を行かせてみたがいずれのときも誰もいなかった、というものでした。
どういう事なのか、詳しい事はまだわかりません。
経営がうまくいかなくなって、夜逃げをしたのかもしれません。
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シスカはメールの中で「彼らには失望した。プロフェッショナルじゃない。」と憤ってましたが、もし倒産して姿をくらましたのだとすると、小さな子どもを抱えて逃げる彼らのことを思うと、不憫でなりません・・
それとも「ゴメンゴメン、実は〇〇という事情でさ・・」と、次回訪問したときにすまなそうな顔を見せてくれるのでしょうか・・
そうであることを望みます。