大人の勉強机

30をいくつか過ぎたころ、それまで勤めていた会社を辞め、1年半ほどフリーターの時期がありました。

人生の休み時間のようなものでした。

時間がたっぷりと有ったのと、わずかに経済的な余裕もあったのである大学のオープンキャンパスに申し込み、授業を受けました。

学生時代あんなにつまらなかった勉強が、なぜかとても面白く、この差は何なんだろう?と考えたものです。

 

 

 

 

つばきやの「学習机」はもともとお父さんがゆっくりと新聞を読むために、と作った「お父さんの机」だったってことは前にも書きましたね。

でも、お嫁に行くその先はほとんどお子さんの学習机用。

なので後からキャスターワゴンや5段チェストなんかを組み合わせて「学習机」として販売しているのです。

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もう一度、大人の勉強机を作ってみようかな。

お父さんが新聞を読むための机じゃなくて、〝大人が勉強するための机〟を。

ということで作ったのがコレ。

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パーツは半年前に到着していたのに、お客様からのご注文を優先させていたのでなかなか手を付けられずにいたのですが、やっと完成です。

サイズはW120×D60×H73cm。

今、販売している学習机と同じです。

違うところはアイアンの脚。

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アイアンに艶消しブラックで塗装をし、アジャスターを付けています。

大人っぽいでしょ 笑)

 

そして引き出しはふたつ。

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ひとつは筆記具や定規、文房具などの専用。

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もうひとつはA4のファイルが入るサイズ。

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そして、その隣の引き出しの無い空間は…

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ノートパソコン用。

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大人っぽいでしょ。

 

 

天板はもちろんマホガニーの無垢材。

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人生、一生勉強です。なんちって。

自分でも欲しいなぁ、コレ。

でも我が家には置くスペースがありません。

これを買われる方がうらやましい。

 

W120×D60×H73cm

42000(45360)

トイレットペーパーホルダーニューヴァージョン

有松の店から今の野々市に移転してきたのが10年前。

中古の住宅を自分たちで店舗に改装したのです。

壁のクロスは珪藻土に塗り替え、床のニスをサンダーではがす。

広間の障子を取り払い、ついでに欄間までのこぎりで切っちゃった。

トイレの便器を取り換え、壁には漆喰を塗りました。

トイレットペーパーホルダーも取り換えようとしましたが気に入ったトイレットペーパーホルダーが見つからず、バリの鉄工屋さんに作ってもらったのがコレ。

木の部分はテーブルの天板と同じマホガニー材を使っています。

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ありがたいことによく売れてます。

何社かの住宅メーカー様にも採用していただき、おかげさまで今までいくつくらい作ったんだろうと遠い目になるほどです。

 

 

シングルとダブルがありますが悩ましいのが『ダブルを付けたいけどスペースが無いのよねえ…』と仕方なくシングルをお選びになるお客様がいらっしゃること。

そこでひらめきました。

縦にトイレットペーパーを並べたらいいんじゃないのか、と。

 

 

 

バリの鉄工屋さんはジャワ人で英語が話せない。

一方、ワタシのインドネシア語力は幼稚園児並み。

なので新しい商品を発注するときはできるだけ写実的に描き、寸法も細かく指定します。

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そして2~3日でサンプルを作ってもらい、出来上がったサンプルを前にして、「ここをこう曲げて」「ビス穴の位置を変更して」などと指示を出し、GOを出すのです。

 

でもこのトイレットペーパーホルダーはもう何百も作ってるし、今までの形をちょこっとアレンジしただけだから彼も間違えることはないだろうと思って書いたのがこの気の抜けた絵。

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シングルのトイレットペーパーホルダーを縦に3連にしたのです。

シングルのスペースがあればトイレットペーパーが3個かけられるのですよ。

ひらめいたでしょ。

そして簡単なアレンジです。

間違えるはずがない。はずだったのです。

 

 

 

5月16日にコンテナの貨物を受け取り、まずは家具の検品、オーダーいただいた家具の製作。

バタバタとやらなければならないことをしているうちに、もうすぐ荷物を引き取ってから1か月です。

ああ、そうだ、今回はアイアンの新作がいっぱい入ってるんだったっけ、と思い出し段ボール箱を開けてみると…

あのトイレットペーパーホルダーはこんな風に出来上がってました。

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シングルじゃなくダブルのサイズが3連です。

心の中で(違ーーーう!)と叫びながらあの気の抜けたデッサンを見ると、ああ、トイレットペーパーを通す横棒のサイズが書かれてないし。

 

 

もともとダブルのサイズがスペース的に付けられない方のために作ったものなのに、ダブルのサイズが3連なんて。

需要があるのだろうか。

 

とりあえず我が家のトイレに付けました。

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生きてます。

先日、学生時代の空手部のタカタ先輩から電話があった。

私より5年上の先輩なので現役時代は一緒に稽古したことはないが元気が服を着て歩いているような先輩だ。

母校の野球部が18年ぶりに優勝し、タカタ先輩よりまた何年か上級生のカド先輩と祝杯を挙げられているらしい。

カド先輩もいろんな武勇伝をお持ちでワタシもいろんな意味で大変可愛がっていただいた。

 

 

おふたりがご一緒に飲んでいらっしゃる状況は分かった。

ワタシに電話してきた用件は、というと…

 

「でな、カド先輩がな、ゆんべツバキの夢を見たらしいんだよ。もう何年も会ってないのに何で夢に出てきたんだろうってな。でな、タカタもしかしたらツバキ死んだかもしれんぞっておっしゃってるのよ。ちょっと電話してみろってことだ。おう、元気か。よかったよかった。またこっち来るときは一杯やろうや。じゃな!」

 

お気にかけていただいてありがとうございます。

生きてます。

GWの営業

こんにちは。

GWに突入しましたね。

昨日、一昨日と晴天に恵まれましたが今日の野々市は朝から雨です。

先ほどは雷まで鳴っていました。

明日からはまたお天気が良いようですよ。

 

GW中は定休の曜日、3日(水)、4日(木)も営業しています。

石川に帰省されるお客様とお会いできることを楽しみにしています。

 

そしてGW明けの5月9日(火)から12日(金)までお休みさせていただきます。

最近ビックリしたこと

ちょっと前の話になるけれど、ムスコが出た小学校のエド先生からケータイに電話がかかってきた。

2年生を相手に〝ゲストティーチャー〟をやってくれませんか、というものだった。

いや~、まいったな~、というのが本音だったがワタシがPTAをやってた頃にお世話になった先生なので断りにくい。

何を話せばいいんですか、と尋ねると何でもいいですと言う。

それはとっても困ります。何でもいいと言われても。

毎年その時期、ゲストティーチャーを招いて授業を行っているのらしいのだけれど、そのゲストティーチャーの立場は『町の名人』らしい。

じゃあ家具屋だから家具の話だな、と思ったけれどそれだけじゃなくて何か教育的なことも織り込みたい。

そう思いながら日々の仕事に追われ具体的に何を話すのか全く決まらず、まずい、もう明後日じゃないかという段になってあわてて考えた。

家具の話から材料である木材の話、世界中から森林が減っている話、植林、リサイクルといった方向で話をすることにした。

付け焼刃の知識はネットで仕入れ、授業当日になった。

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エド先生からは授業時間45分の内、30分話をして15分は質問を受けてくださいと言われたが30分も話をすることなんてできるのか…15分も質問が出るのか…

という心配は杞憂に終わり30分話をして子供たちから質問を受けると、彼らの質問力はハンパじゃなかった。

エド先生がハイもう時間なのでこれまで、というまで質問は途切れなかった。

ふ~、終わったぜ…

 

 

で、本題はこれからなんです。

授業は〇年〇組の教室じゃなく『生活室』という教室で行った。

そこには机と椅子は無く、約70人の子どもたちは体育座りで私の話を聞いた。

筆記用具は持っていなかった。

 

 

後日、再び江戸先生から電話があった。

先日授業を受けた子どもたちから私への手紙があるとのこと。

先生はわざわざ店まで持ってきてくれた。

何人かの児童がワタシの授業風景の絵と、感想文を書いてくれていた。

「つばき山さんのお話をきいて、木を大切にすることとちきゅうをまもることがわかりました」

とか

「わたしはつばき山さんからしぜんの大切さを学びました」

とか、付け焼刃の授業を提供したワタシが赤面するような文言が並んでいた。

恥ずかしいような、嬉しいような気持ちでそれらを読んでいると「ん?」というものがあった。

コレです。

袖とポケットのところのオレンジ色に注目です。

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当日ワタシは名人ぽさを強調しようと作業着を着て授業に臨んだ。

普段は塗装作業で汚れるので使い捨てのナイロンヤッケを着ることが多く、布の作業着はあまり着ない。

だから自分でもよく憶えていなかったけれどそう言えば袖口とポケットのところにオレンジのステッチが入っていたかな、と気が付いて作業着を引っ張り出して見てみると…

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オレンジのステッチがある…

 

さっきも書きましたが彼らはワタシの授業を受けている時、筆記用具は持っていなかったのです。

体育座りで聞いていたのです。

授業が終わり教室に戻ってから、ツバキヤマさんへの手紙を書きましょう、ということになって描いたはずなのです。

机がある、ホワイトボードがある、少ない髪の毛を結んだオジサンがいる、リサイクルの話をするために用意した1kg分の新聞紙の束がある。

それらを思い出して描くのはわかります。

でもね、ワタシが来ていた作業着の、ステッチの場所や色まで憶えてる。

 

山下清は放浪の中でみた風景を、のちに施設に帰ってから思い出し切り絵で再現したそうです。

 

最近、ビックリしたことです。