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ムスコのGW
4月24日に我が家の犬、ハナが立てなくなった。
起き上がろうと足をバタバタ動かすのだが、うまくいかない。
手を添えて立たせてやっても左へ倒れてしまう。
眼球が小刻みに左右に往復している。
動物病院へ連れて行くと前庭疾患と診断された。
三半規管からの信号がうまく脳に伝わらないそうだ。
原因がわからず根本的な治療法もないそうだが、症状を緩和する注射を打ち、薬をもらった。
翌日、眼球の動きも治まり、なんとか自立でき、よたよたと歩けるようになったが1日のほとんどを寝て過ごすようになった。
薬も、最初は大好物のカステラの中に埋め込みだましだまし食べさせたが、そのうち食べ物も口にしなくなったので包丁で砕き、水に溶かし、化粧品用の注射器型のスポイトで飲ませた。
昼間はおじいちゃんおばあちゃんの家へ〝持って〟行き、夜はカミさんが抱いて寝た。
GWに入るともう動かすのが可哀そうになり我が家に置いておくことにした。
昼間はワタシもカミさんも仕事なのでムスコが看ている。
寝たきりなのだが、時々ネコのような奇妙な声を出す。
ムスコの観察によると水を飲みたいときか、寝返りをうちたいときか、便をしたいとき(何も食べていないのに二日に一度くらい少し出るのです)に声を出すらしい。
ムスコと本屋へ行き、何冊か本を買った。
「オレ、ゴールデンウィークはどこへも行かない。」
と宣言し、ハナの横で読書をすることに決めたそうだ。
元気で、賢い犬だった。
林道を散歩している時にカモシカに遭遇すると、山の中を追いかけて走った。
2メートルくらいの垂直な崖を駆け上った。
有松の店では事務所と店の境に前足を置き、呼ばれるまで店に入ってくることはなかった。
ハナ、と呼ぶとトコトコと店に入ってきてお客様に愛想を振りまき、事務所の方向を指さすとまた元の位置に戻った。
思い返してみると愛情の薄い飼い主だった。
内灘の砂浜でリードを外し、思い切り走りまわらせていたとき、パラグライダー(というのかな?エンジンの付いてるやつです)の音と、空を飛ぶ姿を恐れ、どこかへ逃げてしまった。
2時間ほど探したが、あきらめて帰った。
それまでも2~3日〝出張〟することがあったのであまり心配はしなかった。
その日の夜、雨が降り出したので、あ、そうだ、ハナいまごろどうしてるんだろう、と気が付き、薄情だなオレは、と思ったものだ。
翌日、店の女の子たちが保健所で保護されているハナの写真をネットで見つけてくれた。
「ハナ、カメラ目線です~!」と、うけていた。
彼女たちは「ハナ、ひとりになると絶対人間の言葉、しゃべってますよ。」と言っていた。
本日未明、カミさんの腕の中でハナ 永眠しました。
ムスコは、収納いそびれているコタツにもぐって出てこない。